衣類ついてしまったシミは時間が経つほど落ちにくくなるので、早めに処理することが大切です。シミになる汚れは、いろいろな成分が複雑にからみあった混合物で、着用時に体から分泌される汚れと外部から付着する汚れに大別されます。これらの汚れを分類すると、おおよそ3つのグループ、水溶性油性不溶性に分けることが出来ます。汚れによってシミ抜きの方法が変わってくるので、汚れの種類や性質をご紹介します。

水溶性汚れ】 水に溶けやすく、有機溶剤に溶けにくい

食べ物....果汁、卵 飲み物…コーヒー、ジュース、お茶、酒、牛乳 調味料…醤油、ケチャップ、ソース その他…水性インク、汗、尿、血液等       

油性の汚れ】有機溶剤に溶けやすく、水に溶けにくい

食べ物…食用油、バター 化粧品…ファンデーション、口紅、マニキュア その他…油性インク、機械油、皮脂等

不溶性の汚れ】 水にも有機溶剤にも溶けにくい

ホコリ、砂、泥、墨汁、鉄さび

色素】水溶性汚れ、油性汚れの中には、色素が含まれた汚れもあります。色素は有機溶剤や水には溶けないため、家庭の洗濯では落ちないことが多い。色素が含まれた汚れ…お茶、ワイン、コーヒー、カレー、ミートソース等   

※有機溶剤:ベンジンやアルコール等 

I シミ抜きの手順 

水や洗剤で落ちやすい「水溶性のシミ」か、ベンジンやアルコールなどの有機溶剤で落ちやすい「油性のシミ」かを判断します。

②シミの成分が「水溶性」なら水で薄めたおしゃれ着用洗剤(衣類用中性洗剤)で、「油性」の場合は消毒用アルコールやベンジンで落とします。シミ抜きのポイントは「シミをたたき出して、ほかの布に移す」ことです。

③シミ抜きに使用するハンカチを用意します。ハンカチを10cmくらいになるまで対角線に2~3回折りたたみ、三角形を作ります。シミは、三角形の先で叩きます。ハンカチは色落ちしないものにしましょう。

シミ汚れを移し取るタオルなどを用意し、その上に衣類のシミがついている面を下に向けて置きましょう。

⑤シミの裏から叩きます。

※使用する薬剤を目立たない部分につけて叩きます。その際、白い布に色が移ったり、色落ちやシミができてしまったりした場合は、家庭ではシミ抜きができません。

※シミ抜きをする際は、洗剤液やベンジン・エタノールが手に直接触れてしまうことがありますので、手が荒れやすい方は、ビニール手袋をして使いましょう

I 水溶性のシミの場合

三角に折りたたんだハンカチに、水で薄めた洗剤液(100ccの水におしゃれ着用洗剤2mlを溶かしたもの)をつけて、シミの裏側を周囲から内側に向けて叩きます。タオルの位置をずらして、シミが落ちるまで、同じ操作をくり返します。最後に別のハンカチなどに水をつけて叩いき、洗剤液を落としましょう。

I 性のシミの場合

三角のハンカチに、ベンジンや消毒用のアルコールなどの溶剤をつけて衣類を叩きます。落ちなかった場合は、水溶性のシミの手順を試しましょう※ベンジンやアルコールなどを使用する場合は換気に注意し、近くに火気がないことをお確かめください。

I 輪ジミの処理

水溶性のシミの場合…シミ抜きをしたまわりに、水をつけたハンカチで、乾いている部分との境目をぼかします。

油性のシミの場合…シミ抜きをしたまわりにまで溶剤を広げ、乾いている部分との境目をぼかします。

I 自然乾燥

必ず自然乾燥させます。アイロンやドライヤーなどで熱をかけて乾燥すると、シミの成分が残っていた場合に、変質して落ちにくくなりますので注意しましょう。

ポニークリーニングのシミ抜き…シミの種類によっては、ご家庭で除去が出来ないものがあります。自宅で洗えない衣類や、お気に入りの衣類はポニークリーニングにご相談下さい。シミの組成構造に合わせ1・2・3+sシステムで、生地を傷めずキレイに落とします。