スーツの起源は16世紀ごろのイギリスといわれています。「フロック」と呼ばれるヨーロッパの農民が農作業や外出の際に着用した丈の長い服でした。この「フロック」が上質な素材と仕立てを施され、市民の外出着に進化していきます。フロックコートが誕生した18世紀にシャツ・パンツ・ベストに加えて、ネクタイを合わせるフロックコートスタイルが英国紳士の正装となり、スーツ三つ揃えが登場しました。これが現代スーツの原型と言われています。

その後、朝の散歩用に歩きやすく前裾をカットした、モーニングコートや、乗馬用に改良されたテールコート(燕尾服)が登場します。これらを貴族が着用したことで礼服化され、現在でも正装として用いられています。

現在のスーツの起源は諸説ありますが、軍服と言われています。軍服の首まである襟をたおし、窮屈さを軽減するためにボタンの数を減らし、今のスーツジャケットの形となったと言われています。スーツを楽に着用できるように、その時代に合った形や仕様に変化していきました。日本でスーツが着用される様になったのは、幕末末期~明治時代以降に日本に入ってきた異国文化のひとつがスーツでした。大正時代になると、スーツを着用シーンが国内でも浸透し男性のスーツスタイルも一般化していきました。やがて日本のスタンダードなファッションへと進化していきます。